いい家ラボの野上です。普段は、東京台東区で自然素材の素足の気持ちい注文住宅を提供する野上工務店の、4代目大工の妻として皆様の理想の家づくりのサポートをしております。前回は、物件情報での土地の見方についてお話ししました。
いい家ラボの野上です。普段は、東京台東区で自然素材の素足の気持ちい注文住宅を提供する野上工務店の、4代目大工の妻として皆様の理想の家づくりのサポートをしております。 今回は、土地の物件広告(物件情報)の見方についてのお話です。 ■前回の[…]
さて、土地が決まったら、いよいよどんな家を注文するかを具体的に考えていきます。今回は、注文住宅の要、間取り作成についてのお話です。
まず、間取りとは、住宅の部屋の配置のこと。
注文住宅の醍醐味は、部屋の配置(間取り図作成)からすべて自分で決められるため、希望を最大限叶えられ理想の家を作ることができます。
理想の間取り図を作成する為に、事前に知っておくべきことを6つご紹介します。
1.間取りの種類
まずは間取りの代表的な種類を確認しておきましょう。
住まいは以下の空間が基本になっています。
- 玄関
- リビング
- ダイニング
- キッチン
- 寝室
- 洗面所
- お風呂
- トイレ
- 収納
- 階段
- そのほかの部屋(和室・子供部屋・書斎等・・・)
2.間取りを示す記号(不動産用語)
次に、間取り図の代表的な記号を理解しましょう。他の間取りを参考にしたり、ご自身の間取りプランの作成の際に役立ちます。
代表的な間取りの記号
- LDK・・・リビング・ダイニング・キッチン
- WC・・・水洗トイレ
- CL・・・クロゼット
- WCL/WIC・・・ウォークインクロゼット
- SCL/SIC・・・シューズクローク/シューズインクロゼット
- SB・・・シューズボックス
- SR・・・サービスルーム・納戸
- RF・・・ロフトや中二階の収納スペース
- PS・・・パイプスペース(水道管やガス管などの配管が設置されている場所。)
- W又は洗・・・洗濯機置き場
- R又は冷・・・冷蔵庫置き場
- MB・・・メーターボックス
以下、各々について、抑えるべきポイントを解説していきます。
LDK(リビング・ダイニング・キッチン)
『L』はリビング(居間)、『D』はダイニング(食事をする部屋)、『K』はキッチン(台所)、この組み合わせで『LDK』は、リビング・ダイニング・キッチンを指します。
UB(ユニットバス・お風呂)
UBは、ユニットバス(お風呂)の略。ユニットバスと聞くと、お風呂とトイレが1つの空間にあるイメージする方もいるかもしれませんが、ユニットバスとは、浴槽と洗い場のスペースの床、壁、天井が一体となったもの、あらかじめ工場で製造して現場で組み立てるユニット構造になったものを指します。
特徴は、水漏れ事故が少なく、壁面のパネル・床材は水はけのよい素材が使われていること。また掃除がしやすいことです。
ユニットバスが一般的になった背景
昔はコンクリートとタイルで洗い場を作り、浴槽を組み合わせる在来工法のお風呂が一般的でしたが、今はほとんどの住宅ではユニットバスが取り入れられています。 ユニットバスのメリットは在来工法のお風呂のようにゼロから現場で施工するのと異なり、工場で製作されて部材を組み立てるため、施工期間を大幅に短縮することができます。
ユニットバスの始まりは、1964年に開催された東京オリンピック。当時の観光客が宿泊するためにホテルニューオータニ(17階建て全1058室)を17カ月で建設することになり、工期短縮、オリンピックの開会に間に合わせるために考え出されたことがきっかけです。
3.建築基準法に関わる『居室(きょしつ)』について
注文住宅を作るなら、『居室』についても理解しておきましょう。
居室とは
「居室(きょしつ)」とは、人が長い時間過ごす空間、居間・寝室・台所のこと。洋室、和室、こども室、寝室、リビングルーム、ダイニングルーム、キッチンは居室に当たります。
建設基準法では居室にできる部屋の採光や換気を行う窓の面積の最低ラインを定めており、居室を作る場合はその基準をクリアしている必要があります。
居室扱いにならない空間
逆に、使用時間の短いトイレ、洗面所、浴室、キッチン、収納、玄関、廊下等は居室扱いになりません。
居室の条件を満たさない空間は「サービスルーム又は納戸(SR)」とされる。
居室の最低ライン条件を満たさない空間は、「サービスルーム又は納戸」と呼ばれ、居室と分けられます。サービスルーム(SR)は建築基準法上の「居室」ではないため、設計段階で居室と同じような設備を設けないよう行政指導されるケースがあります。
例えば、採光や換気を行う窓の面積が、最低ラインである部屋の床面積の1/7以上となっていた場合でも、窓の目の前に隣の建物、階段やエレベーターがあって影になるようであれば、 居室としての基準を満たしていないためその部分は居室の有効面積にカウントできません。
以上のような内容で住まいは成り立っています。
<居室まとめ>
建築基準法で、間取りは、「居室」「居室以外」「サービスルーム・納戸」に分類される。建築基準法に反した場合、行政指導されるケースがある。
- 居室に該当する空間:
人が長い時間過ごす洋室、和室、こども室、寝室(BR)、リビングルーム(L)、ダイニングルーム(D)等。
居室にするには、部屋の採光や換気を行う窓の面積の最低ラインをクリアしている必要がある。 - 居室に該当しない空間:
使用時間の短いトイレ、洗面所、浴室、キッチン、収納、玄関、廊下等 - サービスルームまたは納戸(SR)とされる空間
居室として建築基準法の採光・換気の基準がクリアできない空間。空間自体が基準を満たしていても、周辺環境(窓の前の建物など)の陰によって基準を満たせない場合も、該当する。この場合、居室はつくれない。建築基準法に反した場合は行政指導されるケースもあるので、十分確認すること。
4.間取りは希望の空間が決まったら、それぞれの配置と大きさを考える
必要な空間、部屋数が決まったら、次に考えるのは配置。配置を決めるうえで重要なポイントを4つご紹介。
ポイント1.『日当たり・風通し・生活導線』に配慮する
配置を決めるうえで重要なポイントは、日当たり、風通し、生活動線です。これから子育てのご家庭には階段、子ども部屋の位置が重要になってきます。
ポイント2.子供部屋は、玄関から直接子供部屋に行けないように
お子様のいる家庭では、玄関からそのまま自分の部屋に入るのではなく、リビング、ダイニングを通ってから自分の部屋に行く配置にすること。ちょっとしたことですが、このような工夫はお子さんの成長、特に思春期などに大きく影響します。
ポイント3.寝室の上下は生活音のする空間にしない
さらに、寝室の上下に生活音(トイレの流す音やお風呂のシャワー)をもってこないというのも、暮らし始めて満足の配置項目です。
ポイント4.何をいつまで変更できるか、細かくチェックしておく
コンセントの位置などはハウスメーカーと違い、工事開始ギリギリまで変更可能です。どういった項目がいつまでなら変更可能か、気がついたときにメモ書きでもよいので細かくチェックしておくと、施工業者さんとより良い意思疎通ができてきます。
5.『ごみ置き場』を忘れずに!臭うゴミ、設置場所も重要
マンションにはあって、一戸建てにはないもの。それが「ごみ置き場」。
多くのプラン集でもほとんど記載がありませんが、建てた家で住み始めてからその重要性を実感する空間です。
というのも、一戸建ての場合、ごみは決まったごみの日の朝に出すため、決められた曜日までに出たごみは家で保管していなければなりません。 夏場などは特に、置く場所に気をつけなければ臭いの元になるからです。
いい家ラボおすすめは、以下の条件を全て満たす場所。
ごみ置き場設置条件
- 日が当たらない
- 雨が当たらない(となお良し)
- 人目につきくく、ごみの日に出しやすい
- 外(但しベランダは条件から外すこと)
ベランダにゴミ置き場を設置しない理由
家の外でごみを出しやすい場所として『ベランダ』考える方も多いのではないでしょうか。ですが予め条件から外しましょう。
なぜなら、ベランダはほとんどの人が、日当たり良好でリビングに隣接されているような、人目に触れやすい場所に設け、ゴミ置き場の求める、臭わない、日当たりの悪い、目立たない場所とは正反対になるからです。
予めベランダはごみ置き場にしない、と決めておくことで後悔せずに済みます。
こういった、ちょっとした項目も間取り図のプラン作成を大きく左右します。
6.家相や風水を取り入れる場合は、住みづらい空間にならない程度に
家づくりを始めるまではあまり意識したことがなかったのに、新築の家を建てると決めたら、家相や風水、昔からの風習や言い伝えなど、設計段階でいろいろと気になることも出てきますね。
家相とは、方角と家の間取りを組み合わせ、運気をはかる考え方を言います。
代表的な例でいうと、「北東にトイレがあると運気が下がる」「鬼門や裏鬼門のライン上に玄関を配置した間取りは家相で最も悪い」など です。
日本の家相は、主に江戸時代後期に都市部を中心に流行し、家のスタイルや形は変化しながらも、鬼門・裏鬼門といった、常に変わることのない吉凶の方角があり、 現代もその精神が受け継がれています。
特に一般的に言われるのが、北東方向にある「表鬼門」です。この方向は日当たりが悪くジメジメとし、冬は寒い場所になります。 そこで昔の人たちは「そこにトイレや浴室を配置してはいけない」と言っていました。
人間が生きるために必要な、水、火、不浄(浴室・トイレ)に関わる場所が重視され、他所より優先されており、江戸時代、特に人口が集中していた都市部では、衛生面による疫病や火災を恐れ、死に直結しやすいものとして、より慎重に扱われていたそうです。具体的に鬼門は、家の中心からみて北東45度、裏鬼門は南西45度の範囲。水回りの設置は、鬼門・裏鬼門を避けたほうがよいとされています。
しかし、限られた敷地の中で、間取りのすべてにおいて家相を意識していると家づくりの制約が増えてしまい、自由にマイホームを設計できないケースが多くなり、 日々の生活で、住みづらい間取りになってしまうことにも。
家相や風水のおすすめの取り入れ方
家相はあくまで住みやすい家づくりのコツが集められた生活の知恵なので、知らずに設計してしまい、あとから後悔しないようチェックしておくといった参考程度で、最終的には家族構成やライフスタイルのことを考えながら取り入れるようにしましょう。
家相以外には風水、気学など、それぞれ流派ごとにいろいろな意見があります。気学では自分の本命の方位(方角)にお風呂やトイレを配置するのはよくないといわれていますが、家族の多いご家庭で、家族全員の方角を取り入れて設計していたら大変です。
その場合には、風水のラッキーカラーやアイテムを取り入れ、活用しましょう。家相で一番大切なことは、いつも清潔を心がけ、整理整頓、気持ちよい空気が流れるようきれいにしておくことです。
いかがでしたでしょうか。家づくりをされる方に事前に把握しておいていただきたいことを、6つご紹介しました。
間取りも決まったらいよいよ業者選び。
次回は見積もりについてです。
いい家ラボの野上です。普段は、東京台東区で自然素材の素足の気持ちい注文住宅を提供する野上工務店の、4代目大工の妻として皆様の理想の家づくりのサポートをしております。 今回は、概算見積もり書のお話です。 あなたが注文住宅を建てることになっ[…]

