注文住宅の土地選び1.いい土地を見つける5つのポイント|注文住宅の流れ②土地選び

いい家ラボの野上です。普段は、東京台東区で自然素材の素足の気持ちい注文住宅を提供する野上工務店の、4代目大工の妻として皆様の理想の家づくりのサポートをしております。

さて今回は、注文住宅を土地探しから始める方向けに、最初に知っておくとよい、いい土地を見つける為のポイント5つと、工務店として土地選びで絶対に妥協して欲しくない条件についてお話します。

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土地探し、何からはじめればいい?

資金計画で住宅購入資金を把握したら、まず、土地探しです。

相続した土地をお持ちの方や、ご実家の敷地の一部に家を建てられる方もいらっしゃいますが、ほとんどの方はマイホームの為に土地の購入からスタートです。

土地の購入は殆どの方が家と同様一生に一度でしょう。たった1回の買い物で成功するためには、どんな知識が必要で、どんなことに注意しながら進めればよいのでしょうか。

インターネット上で「土地探し」と入力すると、不動産会社からハウスメーカーなど、住宅関連の会社が土地探しについてたくさん情報を掲載していますが、どのサイトも言い回しは違っても、内容は、ほぼ同じです。

では、その中で正しい判断をするにはどうすればいいのでしょう。

ポイント1.妥協できる条件と妥協できない条件から優先順位をつける

いい土地に巡り合うための準備として最初に行うのは条件出しです。以下の順で、優先順位を決めていきます。

  1. まずはじめに土地の購入条件を出します。
  2. 次に、それらの条件を妥協できる条件と妥協できない条件に分けます。
  3. 最後に、それぞれ優先順位をつけていきます。

特に妥協できない条件は重要です。優先順位をはっきりさせておきましょう。

都内ではすべての条件をクリアするような土地を見つけるのは難しいですが、少しでも理想に近い土地に出会いやすくするために、はじめに条件を明確にしておくことが重要です。

土地の優先条件

土地の優先条件にはどんなものがあるのでしょうか。主な優先条件は以下。

  • 土地の価格
  • 土地の広さ
  • 土地の形
  • 日当たり
  • 水はけの良さ
  • 地盤の固さ
  • 最寄り駅からの距離
  • 通勤に利用する交通機関、通いやすさ
  • スーパーなどの商業施設
  • 医療機関
  • 教育施設
  • 公共施設
  • 悪臭や騒音、振動などの嫌悪施設
  • 近隣、自治会、ゴミ置き場などの状況

家族構成やライフスタイルによって、条件も優先順位は変わると思います。普段の生活を振り返ったり、雑誌やインターネットで実際に家を建てた方の土地選びの条件を調べたりして、自分が住む家の土地の条件を決めていかれるといいでしょう。

「土地の履歴」は絶対に妥協しない

自分にとって暮らしやすい土地かどうかは、人によってそれぞれ違い、さまざまな角度から確認しなければなりませんが、土地探しで絶対に妥協してはいけない条件が、「土地の履歴」です。

土地の履歴とは浸水歴・土壌汚染・過去の使用用途のことです。

特に最近では、被害の大きな自然災害が多発しています。特に大雨による水害の浸水想定区域(洪水浸水想定区域)、家屋倒壊等想定区域等は、各管轄の行政にてハザードマップや情報が公開されていますので、必ずチェックしましょう。

洪水浸水想定区域とは

河川を管理する国や都道府県が、降雨で氾濫した場合に浸水する危険性が高い場所を示した区域のこと。
(参照元:日本経済新聞『洪水浸水想定区域とは 「1000年に1回」の大雨に改定』より

家屋倒壊等想定区域とは

堤防決壊に伴って家屋の倒壊・流失が起きる恐れのある区域。国土交通大臣又は都道府県知事が指定する。家屋倒壊等氾濫想定区域は、家屋の倒壊・流失の原因に応じて、洪水の氾濫流による恐れがある範囲と、洪水時の河岸侵食による恐れがある範囲の種類がある。指定された区域では、避難は、屋内での待避(垂直避難)ではなく、避難所等への立ち退き避難(水平避難)が必要であるとされている。(参照元:『R.E.words 不動産用語集ー家屋倒壊等想定区域』より

ハザードマップとは

自然災害による被害予測および避難情報を表示した地図をいう。災害の種類に応じて、洪水、津波、火山、土砂災害などのハザードマップが作成・公表されている。(参照元:『R.E.words 不動産用語集ーハザードマップ』より

東京都のハザードマップについて

東京都防災ホームページのハザードマップとは」で、東京都のハザードマップが紹介されています。このページではハザードマップの見方も説明していますので、読まれるといいでしょう。各地域のハザードマップは、「〇〇区 ハザードマップ」で検索する、と説明しています。

東京都の洪水ハザードマップ

東京都の洪水ハザードマップはウェブサイトとアプリで確認できるようです。東京で土地探しをされる方はアプリをダウンロードしておくと便利かもしれません。

国土交通省は、全国のハザードマップを検索できるサイトを公開しています。

災害に強い土地は、価値がある土地

命、建物の危険はもちろんですが、こうした土地は残念ながら土地自体の価値も低く、逆に「災害に強い土地」は価値がある土地ということになります。

ポイント2:専門的なことは専門家へ聞く。おすすめは地域の不動産会社

妥協できる条件、妥協できない条件、それぞれの優先順位を決めたら、土地探しです。

インターネットの物件情報を見るだけでなく、実際に専門家の元へ足を運びじっくり話を聞くことも重要です。土地探しには一般的な条件以外にも、専門家に確認すべき項目がある為です。

専門家に確認すべき項目

専門家に確認すべき項目は土地の履歴を含め以下4つ

  • 土地の履歴に問題がないか
  • 防火地域・準防火地域かどうか
  • 地中の状態に問題がないか
  • 敷地内への水道ガスの引き込み状況

土地の履歴については先に述べましたが、そのほかにも東京都は、防火地域・準防火地域が多く、場所によっては家づくりで使える建材も変わり、家を建てるのにコストがかかる傾向にあります。地中に埋設している浄化槽があった場合の撤去、敷地内に水道ガスが引き込まれていない場合の新設など、予想外の費用がかかってしまうこともあります。

安全以外にも、予算に関わる部分ですので、知らなかった、ということの無いよう、この4つは必ず確認しましょう。

防火地域

防火地域は、都市計画で指定される地域であり、火災を防止するため特に厳しい建築制限が行なわれる地域である(建築基準法61条)。…(参照元:『R.E.words 不動産用語集ー防火地域』より)

準防火地域

準防火地域は都市計画で指定される地域であり、火災を防止するために比較的厳しい建築制限が行なわれる地域で ある(建築基準法62条)。…(参照元:『R.E.words 不動産用語集ー準防火地域』より)

土地の専門家として、地域の不動産屋さんをおすすめする理由

専門家といってもどこに聞けばよいのか迷うところ。

結論から言うと、「その地域の不動産屋さん」に話を聞くのがおすすめです。

理由は、専門的なことはその道のエキスパートに聞くのが一番いいからですが、その土地に長く会社を構えている地域の不動産屋さんは近隣はもちろん、町会、学校状況など、地域を熟知しているその土地のエキスパートです。

大手ハウスメーカーなどでも、土地探し・調査・プラン・設計・建築まですべて対応可能という会社もありますが、マイホーム(特に注文住宅)の大事な土地選びには、広く浅くのハウスメーカーに任せるのはお勧めしない、というのが私たちの見解です。

話を聞くときは、複数の不動産会社に話を聞く

地域の不動産会社に話を聞く際も、1社ではなく複数訪問し、話を聞きます。

理由は、より良い土地に巡り合う為と、身を守る為です。

同じエリアでもそれぞれ固有の土地情報を持っている場合があり、いい土地に巡り合える確率が上がります。また、ただ売れればいいと思っている業者から騙されて購入してしまうといったリスクから身を守ることができます。

何社も訪問して話を聞くのは骨が折れますが、沢山の専門家から話を聞くことで後々後悔することを防ぐのです。

良い不動産会社の見分け方も、今後ご案内予定ですので、参考にしてくださいね。

+地域密着型の金融機関にも声をかけておくのもおすすめ

地域密着型の金融機関(銀行・信用金庫等)も、売却物件の情報をいち早く持っていることがありますので、声をかけておくとよいでしょう。

ポイント

  • その土地に長く会社を構える地域の不動産屋さんに話を聞く

  • 一社だけでなく複数社から話を聞く
  • 複数社から話を聞くことが、いい土地を見つける確率を上げ、騙される確率を下げる。
  • 地域密着型の金融機関もいい情報を持っていることがあるので声をかけておく

ポイント3:自分でも情報収集する

土地探しを不動産会社など専門家に依頼してもすべてを任せきりにせず、並行して自分でも気になる土地の廻りを歩いたり、広告を見たりするなど積極的に情報収集をしましょう。不動産だけでなく、自治体が公開している情報から、その土地がどんな土地かある程度把握することができます。

自分で情報収集するにも、情報の見方が分からなければ正しい判断ができません。土地の情報でチェックすべき重要な11項目についても今後ご案内していきますので、参考にしてくださいね。

ポイント4:実際に現地へ複数回足を運ぶ

いくらプロに土地探しを依頼したとしても、実際に住むのは自分です。気になる土地が見つかったら、実際に現地へ行ってみましょう。

訪ねてみると、その土地柄など雰囲気がいろいろわかることもあります。

現地へ行ったときの土地の見方

現地に行くときには、物件自体の他に、外灯の有無や騒音がないかなど、周辺環境など確かめておきたいことを具体的にリスト化しておく、そして現地の訪問は1度きりではなく時間を変えて、さらに季節によって日当たりも変わりますので複数回行くとよりその土地の様子がわかります。チェック項目をリストアップして、自分の目できちんとチェックしていけば、ベストな土地が見つかるはずです。

ポイント

  • 季節や時間帯を変えて複数回土地の様子をチェックする
  • チェック項目を事前にリスト化しておく

ポイント5:時には一休み

土地探しは、どのくらいの期間をかけるものなのでしょう。

土地探しにかかる期間は人それぞれです。半年以内で決まる人もいれば、何年もかけて探している人もいます。良い土地がなかなか見つからず、疲れを感じることもあります。そんな時は、家づくりのことは、ちょっとひと休みしてみませんか。

息抜きをしたりしながら進めた方がよい物件に出会えることもあります。

実際の話、私は土地を探し始めて1年半で今の場所に出会いました。それまで出会った物件は20件以上でした。探し始めた当初は毎週末あちこち見に行っていましたが、期待して見に行ったのになかなか自分たちの想う土地にめぐり会えず、焦りや落胆もありました。そして新たな物件の動きもなかったため少し様子を見ようと、物件探しを休憩することにしました。そうしたら、いつも通っていた道がちがった雰囲気に見えたり、それまで気がつかなかったことを見つけたり、肩の力をぬくことも大切だなと思いました。その後数か月経って、地域の信用金庫から取引先のお客様で売却したい物件があると話が来て、市場に物件が出る前に、その信用金庫と取引のある地域の不動産会社経由で土地を購入しました。それが、今の住まいです。

まとめ.土地探しはポイントを抑えて余裕をもった計画を

土地探しは、「妥協しないで探したほうがよい」という声がある一方で、「ある程度の妥協も必要」という声もよく聞かれます。

すべての希望を満たす土地を見つけるのは難しく、土地探しをしている人の中には、長期間探してもなかなか購入に至らない方もいるようです。しかし、土地が決まらなければ、建物を建てることもできません。

いつから新しいマイホームで暮らしたいのか、そのためにいつまでに土地を決めなければならないのかしっかり踏まえ、妥協できる点と、妥協できない点、優先順位を明確にし、余裕をもった計画で土地探しを進めましょう。

土地代にお金をかけすぎて建物の建築費用が予算オーバーになってしまった」という声もたまに聞かれます。資金計画でもお話した通り、マイホームの購入には、土地代(+仲介手数料)、建物代、諸費用がかかります。土地探しを始めるときには、建築費用とおおよその諸経費を把握して、土地代にあてられる予算を決めておくこともお忘れなく。

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